「踊る大捜査線」は1997年1月~3月にかけてフジテレビ系で放送されたテレビドラマで、出演は織田裕二、深津絵里、いかりや長介など。ドラマの内容は刑事ドラマだが、今回注目するのはそこではなく、ドラマの舞台となったお台場である。
何もなかった「お台場」
ドラマの舞台である「湾岸署」はお台場にあり、周りの何もないため「空き地署」と呼ばれていた。これはドラマの設定であるが、実際のお台場も、当時は何もなかった。そもそもお台場は鈴木俊一前東京都知事が臨海副都心として開発を進めていた地域で、1996年には「世界都市博覧会」が開催される予定だったが、青島都知事誕生とともに、「都市博」は中止。そのため、お台場は開発中の何もないエリアとなってしまった。そして、1997年、そこに移転したのがフジテレビであった。
「踊る」がつくった「お台場」
「踊る大捜査線」では、ドラマのなかでお台場が何度も登場し、ストーリーの中でもお台場が重要な役割を果たしていた。そのため、ドラマが有名になるにつれ、お台場というエリアも広く知られるようになった。そして、2003年公開の「踊る大捜査線THEMOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」では、日本実写映画歴代興行収入1位を獲得し、レインボーブリッジやお台場を日本および世界に知らしめる決定打となった。
「踊る大捜査線」の影響で、お台場に訪れる人も多くなり、観光地としても発展。フジテレビ自体も観光名所として多くの観光客が訪れるようになった。また、作品の中にも出てきたりんかい線東京テレポート駅の発車ベルも「踊る大捜査線」のテーマ曲となり、「踊る」=「お台場」というイメージが定着した。
もはや「踊る大捜査線」とお台場は切っても切り離せない、現実世界でも重要な関係となっていた。
「お台場」のこれから
「世界都市博覧会」の中止によるお台場の衰退。それを救ったのが「踊る大捜査線」だった。そして2020年、お台場は東京オリンピックの力をかりて、さらに発展しようとしている。
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