地理SFショートストーリー「夢野島~Dream island~」

20XX年

世界は度重なる戦争、内戦で疲弊していた。

そのとき、全世界に向けて新たな地図が公開された。

大西洋上、バミューダトライアングルに新たな島が発見された。

その島にはすべての願いを叶えるといわれる高エネルギー物質が地中に存在していることがわかった。

いつしかこの島は「Dream island(夢野島〈ゆめのしま〉)」と呼ばれた。

そして、全世界の悪人、不良、欲を求める人々がその島を目指した。

しかし、その島に向かったものは誰一人帰ってこなかった。

バミューダトライアングルだからしかたない、と皆思っており、捜索も本格的には実施されなかった。

その後も、夢野島を目指すものがあとを絶たなかった。

五十年後、

大西洋上を小型ボートで漂流している男性が発見された。

その男性は夢野島から脱出してきたらしく、

島の様子について語った。

島には多くの人々が暮らしていた。

そう、あのエネルギーを追い求め、島を目指した人々だった。

彼らはその島において、自分のしたいすべての願いを叶え、

その島での暮らしを謳歌し、帰ることさえ忘れていた。

そう、ただ本能に従い、何も考えず、考えることすら忘れてしまったのだった。

その後、「夢野島」は秘密結社が極秘に開発した装置、及び人工島であることが分かった。

「夢野島」は悪人、不良、欲を求める人々を収容する目的で建設された。

島にやってきた悪人らは、現実ではなく、特殊装置から放出される電磁波により仮想現実を見せられていただけだった。そして自発的に島外へ脱出できなくなっていた。

こうして「夢野島」によって、世界は平和になったのであった。

※この物語はフィクションであり、実在の人物、団体、地名とは一切関係ありません。

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