長野県の県歌「信濃の国」は、長野県民誰しもが歌えるという、知られざる名曲、日本一有名な県歌です。
実はこの県歌は、もともと長野県の地理を教えるため、地理教育の教材としてつくたれた歌(地理唱歌)だったのです。
なので、長野県内の様々な地理的要素が歌詞の中に入っています。
このように、その地域の地理を歌に取り入れた「地理唱歌」は他県でも多くつくられたそうです。
歌詞の内容はこんな感じです。↓
1.
信濃の国は、十州(現在の群馬、埼玉、山梨、静岡、愛知、岐阜、富山、新潟)と国境を接しており、
山は高く、流れる川の距離も長い。
松本平、伊那平、佐久平、善光寺平、4つの肥沃な土地がある。
海はないけれど、それ以外のモノは豊富で、すべて県内でまかなうことができる。
2.
御嶽山、乗鞍岳、駒ケ岳、活火山の浅間山に囲まれ、これらの山は県の象徴。
北に、犀川、千曲川、南に、木曽川、天竜川が流れており、県の礎となっている。
3.
木曽の山には多くの木材が茂り、諏訪湖には多くの魚が住み、五穀の実らない里はない。
桑の木を育て、蚕を飼う養蚕業が盛んで、県にとって重要な産業である。
4.
筑摩の湯、姨捨山などの観光地の紹介
5.
長野県出身の偉人の紹介
6.
碓井山に26のトンネルを掘り、汽車で便利に通れるようになった。
歌詞をみると、きちんと長野県の地理的特徴を取り入れています。
これなら、この歌詞を覚えれば、長野県に行ったことのない人でも、長野県がどういうところかわかります。
歌で、地理を覚える地理唱歌。多くは明治期につくられ、とくに鉄道唱歌が多く作られたそうです。
他にも、「信濃の国」のような郷土唱歌、日本全体の地理を歌った唱歌、さらには外国・世界の地理を歌った唱歌もあるらしいです。
気になる方は調べてみてはいかがでしょうか。
では、「信濃の国」お聞きください↓
こちらは「信濃の国」をJ-POP風にアレンジしたもの↓
参照:
長野県ホームページ「県歌『信濃の国』について
山口幸男(1994):明治期における地理教育唱歌について, 新地理, 41-4
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