ディズニーランドの地理学〜地図から読み解く魔法の国〜

ディズニーランドの地理学〜地図から読み解く魔法の国〜 アート
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はじめに

みなさんは東京ディズニーランドに行ったことはありますか?

魔法の国とも呼ばれるディズニーランド。

今回はそんな東京ディズニーランドに隠された秘密を地図を使って解き明かしたいと思います。

7つのエリア

東京ディズニーランドの地図

東京ディズニーランドは7つのテーマランドと呼ばれるエリアに別れています。

画像引用:【公式】マップ | 東京ディズニーランド
https://www.tokyodisneyresort.jp/tdl/map.html

順番に紹介していきます。

■ワールドバザール

入り口を入るとすぐにあるのがこのエリア。20世紀初頭のアメリカをイメージ。

ショップやレストランがあります。

■アドベンチャーランド

ジャンルを冒険するエリア。ジャンルクルーズが有名。

■ウェスタンランド

19世紀のアメリカ、西部開拓時代をイメージ。

■クリッターカントリー

アメリカ河のほとりにある小動物がたくさん住んでいる郷をイメージ。

スプラッシュ・マウンテンが人気。

■ファンタジーランド

白雪姫、ピーターパン、プーさんが登場、童話の世界をイメージ。

■トゥーンタウン

ディズニーアニメーションのキャラクター(トゥーン)たちが住む街。

■トゥモローランド

宇宙の旅やミュージカル・ショーなど「未来」を体感できるエリア。

東京ディズニーランドに隠された秘密

以上のように7つのエリアがありますが、それぞれのエリアの配置、そして各テーマランドの意味を考えると以下のように地図をつくることができます。

地理院地図を使用して作成

地図をみると、

ワールドバザール〜ファンタジーランド=日常世界〜ファンタジー世界

アドベンチャーランド〜トゥモローランド=過去〜未来のイメージ

ディズニーランドに隠された2つの軸が見えてきます。

日常世界〜ファンタジー世界

入ってすぐにあるワールドバザールではお土産を買ったり、レストランでご飯を食べたり日常的な感覚が残っています。

しかしセントラルゾーンを超えるとそういったショップも少なくなり、シンデレラ城に向かうことで空間のファンタジー性が強まってきます。

ファンタジーランド
画像引用:【公式】7つのテーマランド | 東京ディズニーリゾート https://www.tokyodisneyresort.jp/tdr/facility/themeland.html

過去〜未来のイメージ

セントラルゾーンで空間のファンタジー性が強まったところで、左に行くと「過去」のアドベンチャーランド、右に行くと「未来」のトゥモローランドがあります。

お客はファンタジーの世界に入っているので、すんなり過去〜未来のイメージを受け入れることができます。

このような空間的な仕掛けが有ることにより、お客はすんなりとディズニーランドの世界観に入ることができるのです。

アドベンチャーランド
画像引用:【公式】7つのテーマランド | 東京ディズニーリゾート https://www.tokyodisneyresort.jp/tdr/facility/themeland.html

その他空間的仕掛け

外の景色が一切見えない

東京ディズニーランドは千葉県浦安市にありますが、ディズニーランドのどこにいても外の建物や東京湾の景色を見ることはできません。

実は10メートル以上盛土をして、木を植えているところもあり、外の景色を見ることはできません。

国土地理院の地図で東京ディズニーランドの地形の起伏を見てみると、園内を囲むように周辺の標高が高くなっています(これが盛土や植栽と推測)↓

地理院地図を使用して作成

遠近法

ワールドバザールではディズニーランドの中に入っていくほど建物の大きさが小さくなります。

これは遠近法による目の錯覚を利用して、実際よりも通りを長く見せようとしているから。

さらにワールドバザールの通りでは必ず真正面にシンデレラ城が見えるように配置。

長い通りをシンデレラ城に向かって歩くことで、日常から非日常へと入り込む感覚を味わうことができます。

ワールドバザールの通りでは必ず真正面にシンデレラ城
画像引用:【公式】7つのテーマランド | 東京ディズニーリゾート https://www.tokyodisneyresort.jp/tdr/facility/themeland.html

なぜ空間的な仕掛けを?

なぜここまで空間的な仕掛けをしているのでしょうか。

それはディズニーランド創始者のウォルト・ディズニーの強い意志によるもの。

ウォルト・ディズニーはディズニーランドの世界観を重視

そのためにあらゆる対策をして、テーマごとの物語に入り込めるようにつくられているとのこと。

このようにディズニーランドはただのテーマパークではなく、ディズニーランドという「世界観」を味わうためのテーマパークとといえます。

ディズニーランドの生みの親「ウォルト・ディズニー」の銅像

まとめ

・東京ディズニーランドは7つのテーマランドというエリアに別れている。

・東京ディズニーランドには2つの軸が隠されている。

・一つは「日常世界〜ファンタジー世界」

・もう一つは「過去〜未来のイメージ」

・その他にも空間的な仕掛けがある。

・ディズニーランドは「世界観」を味わうためのテーマパーク

今回は東京ディズニーランドの地図からディズニーランドの空間的仕掛けを読み解きました。

普通に楽しいディズニーランドですが、その裏には徹底した空間的な仕掛けがあったんですね。

逆に私達はディズニーランドという空間によって操られているのかも…しれません。



参考文献

遠藤英樹(2020)「トランスナショナル・ディズニー : モノが歩く世界」立命館大学人文学会

参考サイト

【公式】マップ | 東京ディズニーランド
https://www.tokyodisneyresort.jp/tdl/map.html

【公式】7つのテーマランド | 東京ディズニーリゾート
https://www.tokyodisneyresort.jp/tdr/facility/themeland.html

ディズニーランドでは、なぜ「外が見えない」のか | PHPオンライン衆知|PHP研究所
https://shuchi.php.co.jp/article/2139

この記事を書いた人
細田貴洋【地理・地図ライター】

ほそだたかひろ

地理・地図に詳しい【地理・地図ライター】

駒澤大学地理学科卒(都市地理学)、学士(地理学)

国内旅行業務取扱管理者

テレビラジオ、アートといったカルチャーにも詳しい

■書籍執筆
「東大生に挑戦!47都道府県なぞ解き&学習BOOK」(主婦と生活社)

■メディア出演
・スマホRPG「三國志真戦」公式YouTube生配信
・FM NACK5『THE SEITARO★RADIO SHOW「1700」』出演
・LuckyFM茨城放送「HAPPYパンチ!」出演

■Webメディアで地理系記事を多数執筆→詳しくはプロフィールページをどうぞ

Webデザイナーもやってます。

ペンネーム「モリオカケンジ」

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