山登り5区走者の出身校を分析!〜箱根駅伝の地理学〜

地理

日本のお正月の風物詩「箱根駅伝」。

その「箱根駅伝」でもっとも過酷と言われるのが「山登り」といわれる5区。

その名の通り、小田原中継所から箱根の芦ノ湖まで標高差800メートル以上を一気に走る区間です。

「山を制する者は箱根を制する」とも言われ、数々の名選手を生み出した山登りの5区。

今回は5区を走った選手の出身高校のある都道府県を分析。

どこの都道府県の高校で鍛えられた選手が多いのか調べてみました。

調査対象は

・過去20年間(2001〜2021年)

・その年の総合優勝校で5区を走った選手

つまり一番強い大学のすごい選手になります。

では見てみましょう!

優勝校5区走者の出身高校

2001年 奥田真一郎(順天堂大学)兵庫県・西脇工業高

2002年 田中 宏樹(駒澤大学)岡山県・倉敷高

2003年 田中 宏樹(駒澤大学)岡山県・倉敷高

2004年 村上 和春(駒澤大学)秋田県・秋田工高

2005年 村上 和春(駒澤大学)秋田県・秋田工高

2006年 小澤 信(亜細亜大学)新潟県・中越高

2007年 今井 正人(順天堂大学)福島県・原町高

2008年 安西 秀幸(駒澤大学)福島県・会津高

2009年 柏原 竜二(東洋大学)福島県・いわき総合高

2010年 柏原 竜二(東洋大学)福島県・いわき総合高

2011年 猪俣 英希(早稲田大学)福島県・会津高

2012年 柏原 竜二(東洋大学)福島県・いわき総合高

2013年 服部 翔大(日本体育大学)埼玉県・埼玉栄高

2014年 設楽 啓太(東洋大学)埼玉県・武蔵越生高

2015年 神野 大地(青山学院大)愛知県・中京大中京高

2016年 神野 大地(青山学院大)愛知県・中京大中京高

2017年 貞永 隆佑(青山学院大)広島県・世羅高

2018年 竹石 尚人(青山学院大)大分県・鶴崎工高

2019年 西田 壮志(東海大学)熊本県・九州学院高

2020年 飯田 貴之(青山学院大)千葉県・八千代松陰高

2021年 鈴木 芽吹(駒澤大学)長野県・佐久長聖高

どこの都道府県の高校が多いのか

ということで、

優勝校の箱根駅伝5区走者の出身高校は

福島県4

埼玉県2

秋田県1

新潟県1

千葉県1

長野県1

愛知県1

兵庫県1

岡山県1

広島県1

大分県1

熊本県1

と福島県が最多でした。

さらに人単位ではなく出場回数(同じ選手でもその年に一回走ったと計算)でみてみると、

福島県6

秋田県2

埼玉県2

愛知県2

新潟県1

千葉県1

長野県1

兵庫県1

岡山県1

広島県1

大分県1

熊本県1

と福島県が一番多くなりました。

なぜ福島県が強いのか

箱根駅伝でもっともタフで強い5区走者。

なぜ福島県の高校出身の選手が多いのでしょうか。

そのそも福島県は「陸上王国」「長距離王国」といわれているように陸上の強い県のようです。

古くは1964年の東京オリンピックで活躍した円谷幸吉さんも福島県須賀川市出身だそう。

なぜ陸上(とくに長距離)が強い県なのでしょうか。

ふくしま駅伝の開催

1995年のふくしま国体の開催に向けて、1989年にスタートした市町村対抗の「ふくしま駅伝」。

中学生から社会人までの男女16人でタスキをつなぐ大会です。

この駅伝のおかげで福島県内で長距離が盛んになったとも言われています。

箱根の5区を走った柏原竜二さん(いわき市出身)も中学生のころから出場しています。

同じ福島県出身の選手を目標にしている

駒澤大学監督の大八木弘明さん(会津若松市出身)は64年東京オリンピック男子マラソン銅メダリストの円谷幸吉さん(須賀川市出身)を目標に。

20年東京オリンピック10000m代表の相澤晃選手(須賀川市出身)は柏原竜二さんを目標に。

目標となる「同郷の選手」が多いというのも大きなメリットでしょう。

福島県人特有の粘り強さ

大八木監督によると福島県出身の選手は、

・あきらめない気持ち

・負けず嫌い

・コツコツが得意

ということで長距離向きの性格と分析しています。

福島県出身の指導者が多い

2021年の箱根駅伝では、関東学生連合を含む21チーム中4チームの監督が福島県出身者となりました。

また20年東京オリンピック出場の中村匠吾選手は大八木監督が指導。

同じく代表の服部勇馬選手は大学時代、酒井俊幸監督(石川町出身)からの指導を受けています。

このように福島県出身の指導者は面倒見がよく、熱い指導者が多いようです。

まとめ

福島県人特有の粘り強さからか、もともと長距離が強かった福島県。

数多くの有名選手が生まれ、さらにその人たちが指導者になり選手を教え…

やがて「ふくしま駅伝」が開催されるようになり、中高生も駅伝の道へ。

このように県出身の陸上選手・指導者同士のつながりが強固になり、陸上選手を生み出す土壌も育まれ、「陸上王国」福島県が完成されたといえます。

優勝校の山登り5区で福島県の高校出身者が多いのも、そのような環境があったからでしょう。

参考サイト

陸上長距離、福島県出身者の活躍の理由は:朝日新聞デジタル
 「陸上王国」「長距離王国」と呼ばれる福島県――。前回の東京五輪では円谷幸吉さん(故人・須賀川市出身)が男子マラソンで銅メダルを獲得し、今回も須賀川市出身の相沢晃選手=旭化成=が男子1万メートルで代表…
箱根駅伝−歴代優勝校
箱根駅伝の歴代の優勝校です
箱根駅伝|日本テレビ
日本テレビ「箱根駅伝」公式サイトです
この記事を書いた人
細田貴洋【地理・地図ライター】

ほそだたかひろ

地理・地図に詳しい【地理・地図ライター】

駒澤大学地理学科卒(都市地理学)、学士(地理学)

国内旅行業務取扱管理者

テレビラジオ、アートといったカルチャーにも詳しい

■メディア出演
・スマホRPG「三國志真戦」公式YouTube生配信
・FM NACK5『THE SEITARO★RADIO SHOW「1700」』出演
・LuckyFM茨城放送「HAPPYパンチ!」出演

■Webメディアで地理系記事を多数執筆→詳しくはプロフィールページをどうぞ

Webデザイナーもやってます。

ペンネーム「モリオカケンジ」

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