秘境駅「尺別駅」に行く その②〜完全に消滅した炭鉱都市 & 幻の鉄道、尺別鉄道〜

完全に消滅した炭鉱都市

なぜ、尺別駅は秘境駅となり、駅周辺は廃墟同然になってしまったのか、
秘境駅「尺別駅」に行く その②〜廃墟がそのまま残る尺別駅周辺〜

それは、尺別の歴史に関係しています。

大正から昭和にかけて、尺別には尺別炭鉱という巨大な炭鉱がありました。

当時、エネルギーとして石炭が大量に使われたため、

尺別炭鉱は栄え、そこで働く人が炭鉱近くに住み、さらにその家族も住み着き、

そしてその人たち相手の商店も集まり、病院や学校もできて、

尺別駅から内陸に8キロ入ったあたりには数千人が暮らす市街地が形成されました。

このように炭鉱によって栄えた都市を炭鉱都市といい、夕張市はその典型でした。

しかし、昭和のエネルギー革命によって、石炭から石油への大きな流れができ、

尺別炭鉱は閉山。そこに住んでいた人たちも職が無くなり、尺別を出て行きました。

あまりに急激に人がいなくなったため、市街地はゴーストタウン化し、廃墟だけが残ったわけです。

当時、栄えていた尺別駅周辺も、同じような理由で廃墟ができたと思われます。

↓ 閉山前、1968年の尺別炭鉱周辺の市街地です。

画像左奥が尺別炭鉱、画面右側の山間に市街地が広がっています。

↓ そして、現在の同じ場所。

先ほどの市街地は消滅。緑の草原に戻っています。

↓ 1977年の尺別駅周辺。

炭鉱閉山から7年経っていますが、駅周辺には建物がたくさんあります。

↓ 現在の尺別駅周辺。

先ほどと比べると、建物も少なくなり、廃墟も混じっています。

当時の尺別炭鉱の様子を紹介しているホームページがあります。
雄別の歴史ー音別町尺別

以下の画像は、そのホームページから引用したものです。

↓ 当時の尺別炭鉱周辺の市街地の様子

↓ 2005年現在の同じ場所

↓ 尺別炭鉱市街地にあったガソリンスタンド

↓ 2005年現在の同じ場所

たくさんの人で賑わったであろう、その街は、

今北海道の原生林に戻ろうとしています。

人が去った寂しさとともに、

人も街も、永遠などないということがわかります。

※空撮画像は国土地理院地図・空中写真閲覧サービス、googlemapより抜粋

幻の鉄道、尺別鉄道

尺別駅は、尺別炭鉱によって栄えましたが、

現在の尺別駅から、尺別炭鉱に向かって、鉄道が伸びていました。

その名も「尺別鉄道」。

尺別駅から社尺別駅(旅客が乗るのはこの駅から)、八幡前駅、新尺別駅、旭町駅、終点の尺別炭山駅までの区間を結んでいました。

炭鉱で採れた石炭を積み換える尺別駅。
旅客が乗る社尺別駅。
八幡前駅は路線の中間地点。
新尺別駅は尺別炭鉱市街地の中心地。
旭町駅から山間部に入り、
終点の尺別炭山駅が炭鉱の入り口でした。

↓ 尺別鉄道線路略図(ホームページ「雄別の歴史ー音別町尺別」より引用)

http://yuubetsu.net/syakubetu

↓ 尺別生活館と、その奥の新尺別駅(ホームページ「雄別の歴史ー音別町尺別」より引用)http://yuubetsu.net/syakubetu

↓ 2005年現在の同じ場所(ホームページ「雄別の歴史ー音別町尺別」より引用)http://yuubetsu.net/syakubetu

尺別鉄道はもともと、尺別炭鉱から尺別駅まで石炭を運ぶ路線でしたが、

1960年代から一般の人も使えるようになったそうです。

しかし、尺別炭鉱閉山後の1970年に廃線となり、駅舎や線路など全ての施設が撤去され、

当時の面影は見つかりません。

しかし、尺別駅の空中写真を見ると、尺別駅から内陸へ向かって、線路跡らしきものが

伸びているのがわかります。

↓ 画像右側の尺別駅のホームの隣に、尺別鉄道の線路跡が見えます。そこからカーブして、画面左(新尺別駅方面)に向かって線路跡が伸びています。(googlemapより引用)

↓ 下から伸びる線路跡は、途中で、道道361号線と交わります。(googlemapより引用)

また、新尺別駅があったとされる周辺にも、高架橋らしきものが残っています。

↓ 画面左と右に、道路をまたぐ高架橋の土台が残っています。高架橋の下には歩道が通っており、当時の人通りの多さが伺えます。この高架橋を通ると、尺別炭鉱市街地の中心地である新尺別駅がありました。(googlemapストリートビューより引用)

廃線跡を探すのも、謎解きみたいでなかなか楽しいですが、

危険な場所や私有地もあるので、自己責任で行動しましょう。

つづく →秘境駅「尺別駅」に行く その⑦〜消滅してしまった尺別で生きた人々の声〜

※画像引用: ホームページ「雄別の歴史ー音別町尺別」



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