地理学は脱出ロープなわけがないですが、
実はそうなんです。
地理学は世界中のいろいろな地域のことを学べますよね。
例えばロシアはひとつの国ですが、そのなかには数多くの民族がおり、多数の共和国が存在しています。
宗教もロシア正教のみならず、イスラム教、仏教そしてユダヤ教と様々な宗教が信仰されています。
ロシアというひとつの国をとっても、こんなに多様性に富んでいます。
もちろん世界規模でみると、もう数えきれないくらいの民族、言語、宗教が存在してるわけです。
その人の考え方、生き方は生まれた場所、または住んでいる場所で決まったりします。
たとえば、愛し合っている二人が結婚するのは当たり前ですが、
男性が牛を数十頭もっているほうが結婚できる、そんな 地域もあります。
人は言語によって考え方が左右されます。
日本語は最後まで聞かないと「何がしたいのか」わかりませんが、英語はまず「何がしたいのか」が先に来ます。
頭の中で、日本語で考える場合と英語で考える場合とでは、まったく考え方の仕組みが違うわけです。
その地域で生まれた人は、いやでも地域の慣習、価値観、ルールに従わなくてはならないのです。
あるいは知らないうちにそうなっているのです。
しかし、地理学を学ぶと、知らない間に当たり前だと思っていたことが、実は違うということがわかるわけです。
こんなにも様々な民族・文化があり、その分だけ様々な価値観がある、ということがわかるわけです。
それを知ったからには、もう大丈夫です。安心してください。
もうあなたは今までの価値観に縛られることはありません。
世界中の価値観の中から好きな価値観を見つけて、それを頼りに生きていけばいいわけです。
できれば、その価値観の国の人と会ってみてもいいでしょう。
「井の中の蛙大海を知らず」と言いますが、あなたは今、深くて狭い穴の底にいるとしましょう。
そのとき、頭上から一本のロープが降りてきました。
そのロープを使ってあなたは地上に出て、広い草原を歩けるようになりました。
このたまたま降りてきたロープこそが地理学です。
たまたま授業で習った、その程度の地理学です。
でも、その地理学を学んで駆使すれば、どんなに遠くの国のことだってわかり、
どんなに遠くの国の人とも価値観を共有することができるのです。
あなたはせっかくロープが降りてきたのに、つかまらないんですか。
もったいない。
つべこべ言わずにつかまってみてください。
今まで見たことのない世界中の景色をみることができます。
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