AC、公共広告機構はその時々の社会の問題や意見を主張するCMです。
この中に世界文化遺産に登録された長崎県の端島、通称:軍艦島が登場するCMがあります。
軍艦島は海底炭鉱の採掘で栄え、小さな島に多くの人々が移り住みました。1974年に軍艦島の海底炭鉱閉山により、島民が島を離れ、その後は無人島となっていました。
ACの軍艦島CMが放送されたのは1982年。当時の島は荒れ果て、高度経済成長の負の遺産として見られていたと思います。
そのCMの内容なのですが、
「石炭が発見され、人々が移り住んだが、その石炭を掘りつくして、人々が島を去ってしまった。
資源とともに島は死んだ。
私たちも今、資源のない島、日本に住んでいる。資源を大切にしよう。 」
というものなのです。
しかし、重大なウソがこのCMにはあります。
それは、軍艦島は石炭を掘りつくして、 人々が島を去ったのではなく、エネルギーが石炭から石油に代わったことで、石炭の価値がなくなり、閉山したわけです。
外部の要因で閉山したわけであって、石炭を掘りつくして閉山したわけではありません。
ともあれ、当時はネットもないですし、軍艦島がどんなものかもわからないですし、このCMを見た人は資源を使い果たして人々が住めなくなった島、そのように軍艦島を理解したことでしょう。
それが今じゃ世界遺産。将来どうなるかわかりませんね。
それにしても、ACのCMってなんでこんなに怖いんでしょうか。今見ても十分怖い。制作者も恐怖を与えようとしていたのかもしれません。
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