【2036年完成】NHKが新社屋建設中!〜テレビ局の立地論〜

テレビ・ラジオ
スポンサーリンク

渋谷のNHK本社が新社屋建設!

NHKといえば日本の公共放送「日本放送協会」。

テレビ、AMFMラジオ、BSなどの衛星放送、国際放送などなどたくさんのチャンネルを持ち、日本全国はもちろん、世界各国でも見ることができます。

そのNHKの本社(NHK放送センター)東京都渋谷区神南というところにあります。

代々木公園の近く。

ちょうど原宿駅と渋谷駅の中間地点です。

代々木公園から見えるNHK本社(本館) 2021年7月撮影

実は、このNHK本社が新社屋を建設中って知ってました?

今なぜ新社屋建設?

NHK本社は東京オリンピックの施設だった!

NHK本社が建てられたのは半世紀前、前回の東京オリンピックのころ

東京オリンピックの国際放送センターとして建てられた建物を東館として整備し、1965年から使い始めました。

その後1972年には地上23階建ての本館、NHKホールなど周囲に建物を建設。

現在のNHK本社が完成しました。

しかし、最も古い東館は今年で建てられてから56年

その他の建物も老朽化

さらに狭くて、4K、8K、スーパーハイビジョンなど新サービスのための施設、新プロジェクトのスペースがない。

このようなことを理由に新社屋を建設することにしたそう。

上空からみたNHK本社(赤い枠内) 地理院地図より作成
1960年代のNHK本社 赤い丸がおそらく東館。それ以外は空き地に見える。 地理院地図より作成

なぜ現在地に建設?

NHKの新社屋は新しい場所ではなく、今の敷地内に建設するとのこと、

いったいなぜなのかというと、

地盤が強固で、アクセスも良い=災害のときの役立つNHKとしてふさわしい場所

敷地が広いので災害時の放送や新サービスの展開がしやすい。

新たな用地取得費が発生しない。

以上の理由で現在地での新社屋建設を決定したとのこと。

どんな新社屋?

今までと同じ、敷地内にたくさんの建物が集まっている構造は変わりませんが、

最新の放送設備を搭載し、災害時にも安心な強靭な建物に。

さらに渋谷の街とも一体化し、周辺環境との調和を目指します。

とのこと。

完成後のイメージ図(点線内) 
画像引用:新放送センター 基本設計の概要について NHK 2019/11/12発表
https://www.nhk.or.jp/pr/keiei/tatekae/pdf/sekkei_gaiyou.pdf
情報棟完成イメージ(渋谷区役所前交差点から) 
画像引用:新放送センター 基本設計の概要について NHK 2019/11/12発表
https://www.nhk.or.jp/pr/keiei/tatekae/pdf/sekkei_gaiyou.pdf

いつ完成?建設費は?

工事は2020年からスタート。

最終的な完成は2036年

足掛け16年という長ーい工事です。

同じ敷地に一気に新社屋を建設するのではなく、古い建物を解体しつつ、新社屋も同時に建設していくみたいです。

いわゆる建て替え工事ですね。

ちなみに建設費は1700億円

民放新社屋で最も建設費のかかったフジテレビは1500億円だそう。

渋谷区役所前交差点には工事関係の建物が(2021年3月)↓

GoogleMapストリートビューより引用

どうやって建て替えするの?

詳しいスケジュールを見ていきましょう。

①2020〜25年

情報棟」という放送設備のあるビルを建設し、放送開始100周年2025年に運用スタート。

「情報棟」にはニュースセンター、ラジオセンターがあり放送の中心という感じ。

今の渋谷区役所前交差点にどでかい建物ができるイメージです。

画像引用:放送センターの建替 基本設計の概要 NHK 平成28年8月30日発表
https://www.nhk.or.jp/pr/keiei/otherpress/pdf/20160830.pdf

②2026〜30年

最も古い東館の大部分を解体したあと、そこに制作事務棟(前期)を建設

そこにも放送設備を整備。

画像引用:放送センターの建替 基本設計の概要 NHK 平成28年8月30日発表
https://www.nhk.or.jp/pr/keiei/otherpress/pdf/20160830.pdf

③2031〜36年

東館の残りと西・北・本館を解体。

解体した東館の跡制作事務棟(後期)を建設。

北・本館跡公開棟を建設。

制作事務棟と公開棟をつなぐ高さ4階の人工地盤(広場みたいなもの)も建設

公開棟はスタジオパークなど視聴者が楽しめる施設

制作事務棟は番組収録などができる施設になるそう。

ちなみにNHKホールは今のままです

画像引用:放送センターの建替 基本設計の概要 NHK 平成28年8月30日発表
https://www.nhk.or.jp/pr/keiei/otherpress/pdf/20160830.pdf

在京キー局の立地

ここで、NHK以外の在京キー局の新社屋事情を見てみると

・日本テレビ:千代田区麹町→港区汐留に新社屋建設(麹町旧社屋も使用)

・テレビ朝日:港区六本木で新社屋に建て替え(一時アークヒルズに移転)

・TBS:港区赤坂の同じ敷地内に新社屋建設。

・テレビ東京:港区虎ノ門→港区六本木に移転(虎ノ門の旧社屋も使用)

・フジテレビ:新宿区河田町→港区お台場に移転。

なんとすべての在京キー局が港区にあります!

また同じ敷地内か、移転しても旧社屋を使い続ける放送局が多いですね。

唯一、開局の地から完全撤退したのがフジテレビ。

黄金時代を築いた河田町にスタジオを残しておけば、今とはまた違ったテレビ局になっていたかも。

ちなみに、NHK本社(NHK放送センター)の本館と、フジテレビ旧社屋ビルはめちゃくちゃ外観が似ています。

左がNHK放送センター本館、右がフジテレビ旧社屋ビル(wikipediaより引用)

まとめ

・NHK本社はもともと東京オリンピックの施設だった。

・老朽化のため新社屋建設が決定。

・現在地で新社屋建設、建て替えを行う。

・2025年には情報棟が完成し、そこから放送スタート。

・最終的な完成は2036年。

長ーい工事、新社屋になったらどんな感じになるのか。

そして本当に完成するのか!?

これからも注目していきます。

余談

私、「地理・地図ライター」としてブラタモリに出たい…

NHKの方見てますか〜?(笑)

他にも、放送局社屋について書いています↓


その他の放送局社屋訪問&情報はこちらから
↓↓↓

放送局社屋・跡地に行ってみた&調べてみた

放送局の社屋に関する情報&放送局社屋・社屋跡地に行ってみた記事


参考資料

新放送センター 基本設計の概要について NHK 2019/11/12発表
https://www.nhk.or.jp/pr/keiei/tatekae/pdf/sekkei_gaiyou.pdf

放送センターの建替 基本設計の概要 NHK 平成28年8月30日発表
https://www.nhk.or.jp/pr/keiei/otherpress/pdf/20160830.pdf

NHK受信料不払いに割増金制度、新社屋建設1700億円の資金と政府とのグレーな関係 (2020年12月18日) – エキサイトニュース
https://www.excite.co.jp/news/article/Jprime_19635/

この記事を書いた人
細田貴洋【地理・地図ライター】

ほそだたかひろ

地理・地図に詳しい【地理・地図ライター】

駒澤大学地理学科卒(都市地理学)、学士(地理学)

国内旅行業務取扱管理者

テレビラジオ、アートといったカルチャーにも詳しい

■書籍執筆
「東大生に挑戦!47都道府県なぞ解き&学習BOOK」(主婦と生活社)

■メディア出演
・スマホRPG「三國志真戦」公式YouTube生配信
・FM NACK5『THE SEITARO★RADIO SHOW「1700」』出演
・LuckyFM茨城放送「HAPPYパンチ!」出演

■Webメディアで地理系記事を多数執筆→詳しくはプロフィールページをどうぞ

Webデザイナーもやってます。

ペンネーム「モリオカケンジ」

細田貴洋【地理・地図ライター】をフォローする

記事執筆・メディア出演などのご依頼、お問い合わせはこちら↓

私、ホームページ制作もやってます↓

テレビ・ラジオ地理
スポンサーリンク
細田貴洋【地理・地図ライター】をフォローする
スポンサーリンク
芸術地理学通信

コメント

タイトルとURLをコピーしました