「きゃりーぱみゅぱみゅ」と原宿
地理学は街と人との関わりも研究対象になる。人が仕事をし、住むことによって街が作られる。人と地理学は切っても切り離せない。
突然だが、みなさんは「きゃりーぱみゅぱみゅ」さんをご存じだろうか。2011年にミニアルバム「もしもし原宿」でメジャーデビューし、以後、歌手やファッションモデルとして活動している。公式ホームページのプロフィールには「アーティスト活動とファッション面での活動を掛け合わせた、『HARAJUKU』のアイコンとしての存在が、全世界から注目を集める」と書かれている。
彼女が作り出す原宿の地域イメージ
きゃりーぱみゅぱみゅさん(以下きゃりーさん)は歌手だが、原宿系と呼ばれる独特のファッションで、原宿カルチャーを代表する歌手でもある。いわば、彼女は原宿の地域イメージを背負って、街のアイコンになっている。これは、彼女と原宿の地域イメージが同化しているといえる。
彼女はテレビなどのメディアに出ることで、原宿の地域イメージを国内、世界に発信している。
そして、彼女が原宿を創造する
きゃりーさんがきっかけで原宿に来た人々は、きゃりーさんを通した原宿の地域イメージを持っている。当然、街の方も、訪れる人々に合った地域イメージを作り出さなければいけなくなる。本来、街は多様な要素を持っているが、これにより、原宿はより、彼女のイメージと似た地域になる。
こうして、彼女によってまた原宿という街が創造される。
もともと原宿を日本国内や世界に発信しているのが彼女だが、彼女自身も、確実に原宿という街に影響を与えている。彼女と原宿が相互に影響しあっているのだ。
彼女は建築家でもなければ、大工でもない。しかし、メディアを用いた情報発信により、街をつくっている。
人とメディアが街をつくる
街は、時に人やメディアによって変化する。秋葉原はドラマ「電車男」により、オタクの街として認識され、電気街の様相が一変し、オタクの街となった。渋谷は、コギャルやヤマンバ、ガングロといった人々により、ギャルの街になった。
人が街に影響を与え、原宿が変わる。きゃりーぱみゅぱみゅという表現媒体が原宿を創造している。
これからの彼女の活動により、原宿はどう変わってゆくのか。きゃりーぱみゅぱみゅと原宿の関係は、これからも注目していきたい。
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