「死の島」はスイス出身の画家アルノルト・ベックリンが描いた絵画である。
↑ベックリン「死の島」
「死の島」はどれも暗い水辺の向こうに浮かぶ荒廃した岩の小島を描いている。小さな手こぎの船がちょうど岸辺の水門と防潮堤のところへ来たところだ[注 2]。こぎ手は後尾から船を操縦している。水門を前にした船には白いものですっかり覆われて立つ人の姿がある。そのすぐ後ろには花綱で飾られた白いものがあり、これはふつう棺と解釈される。狭い小島に広がるのは密になった高く、暗い糸杉の木立であり―受け継がれてきた墓と喪の歴史を連想させる―切り立った険岸を縁取っている。岩壁に穿たれた墓所と窓も葬送の主題に属する。
画像・文章ともにwikipedia「死の島(ベックリン)」より引用
私はこの絵にものすごく惹かれる。「死」をテーマにしているはずなのに一種の安心感を覚える。
怖い絵のはずなのに、なぜか惹かれてしまう。
それはなぜなのか。
自分なりに考えたところ、「岩礁」の魅力と似ているのではないかと思った。
この絵画に出ている小島も岩礁も、「死」のイメージがある。
岩礁も容易に人が近づくことができない。近づいたとしても、船が座礁転覆するかもしれないし、岩礁に登ってもそこから落ちて死ぬかもしれない。
常に死と隣り合わせなのである。
そして、人が近づけないゆえに、孤独である。
この絵画の小島もごつごつした岩に覆われている。
岩の表面は冷たく、寒さを感じさせる。
岩礁は形状が尖っているモノが多く、絵画の中では糸杉がその役割を果たしているといえる。
↑伊豆諸島にある絶海の巨岩「孀婦岩」 画像は海上保安庁ホームページから引用
暗く、死を連想させる絵画の小島
ひとが容易に近づけず、死を連想させる岩礁
両者の共通点は、人を近づけない孤高性と死と隣り合わせからくる神秘性だと思う。
その魅力が人を惹きつけ、ひいては安心感まで与えるのだと思う。
参考資料:wikipedia「死の島(ベックリン)」
海域火山データベース海上保安庁海洋情報部「孀婦岩」
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