実験的なテレビ局
今現在では考えられない実験的な番組を作成していたテレビ局があります。
それは「フジテレビ」。
在京キー局であるフジテレビは、今でこそ長年続いた番組を終わらせたり、低視聴率に苦しむなど、苦境にありますが、
1980年代には、「楽しくなければテレビじゃない」をキャッチフレーズに、「THE MANZAI」「オレたちひょうきん族」「笑っていいとも!」などの人気バラエティ番組を次々生み出し、 高視聴率を獲得。「テレビといえばフジテレビ」といわれるくらいにまで成長、民放テレビ局のトップとして君臨していました。
そして、フジテレビの深夜放送枠である「JOCX-TV2」が1987年にスタート。この「JOCX-TV2」からも「やっぱり猫が好き」「夢で逢えたら」「カノッサの屈辱」世にも奇妙な物語の前身番組「奇妙な出来事」など数々のヒット番組が生まれました。
「JOCX-TV2」は深夜だからできる実験的な番組が多く作成されました。
その中でも印象に残る実験的番組が「眠くなるテレビ」です。
「眠くなるテレビ」は「JOCX-TV2」枠内で1988年に放送された全11回の番組。
毎回様々な女性アイドルが登場するバラエティ番組なのですが、
タイトル通り、視聴者を「眠らせる」番組です。
眠くなるテレビとは…
普通は、視聴率を取るには寝てもらっては困る訳で、普通はいかにして番組を見てくれるか工夫するのですが、
この番組は視聴者を眠らせることが目的なのです。
しかも流れる映像がとても斬新で、視聴者を眠らせるために様々な映像が流れます。
1.アイドルがカメラに向かって生卵を投げつける映像
一体なんなんでしょう。
2.アイドルの動きがスローモーションになり眠りを誘う映像
確かに眠くなるかもしれない…
3.画面が4分割され、1つの画面ではアイドルのインタビュー、それ以外の画面には全く脈絡のない映像が流れる。
これは逆に騒がしくて寝れないかも。若干精神的に不安になります。
4.羊がたくさん走る映像
「羊が一匹、羊が二匹…」に由来。映像で数えるサポートをしてくれるので便利。
5.アイドル同士が雑談するだけの映像
女子が雑談するところを見る。なんともシュールな映像です。こんなもの公共の電波で流していいんでしょうか。確かに周りが騒がしい方が逆に寝れる人もいます。
6.一人のアイドルが長電話をしている様子をずっと流すだけの映像
こちらも先ほどど同じ雑談。実験的すぎます。攻めてます。
7.丹波哲郎のお面をかぶったアイドルが眠くなる催眠術をかける映像
「あなたはだんだん眠くなーる」というやつ。
などなど。
そして必ずエンディングには女性アイドルがパジャマ姿で歯磨きをしている映像が流れます。
どれもかなりインパクトのある映像ばかりです。
しかもこんな映像をテレビで流しても大丈夫なんでしょうか。
まとめ
全11回でひっそりと終わってしまったこの番組。
しかし、これほど実験的でインパクトのある番組はないのではないでしょうか。
でも、その実験的な姿勢が私は大好きです。
今のフジテレビもこのような実験的な番組を作成すれば、視聴率が回復するかも。
フジテレビにはそんな前衛的な番組づくりを期待しています。
参考URL:「眠くなるテレビ」-wikipedia
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