今回は久々に、真面目な地理学ネタです。
都市と犯罪は深い関わりをもっています。
都市地理学においても、「都市と犯罪」は重要なテーマです。
例えば、アメリカでは犯罪から身を守るために、周りをゲートで囲んだ住宅地「ゲーテッドコミュニティ」が誕生しました。
ところで、新宿はみなさん、よくご存じだと思います。
東京都庁などの超高層ビル群、新宿駅とその周辺の繁華街。とにかく、様々な都市的要素が混じっている巨大都市です。
その新宿は大都市であるために、犯罪と切っても切り離せない関係にあります。
ということで、今回は新宿で犯罪が多い地域はどこか、そしてなぜ犯罪が多いのか、地理学的に分析します。
まず、新宿区ホームページに掲載してある「新宿区内町丁別・罪種及び手口別認知件数(平成26年)」から、認知件数100件以上の地域を紹介します。
①新宿1.2.3.5丁目
とくに新宿三丁目は1281件でトップ。
なかでも万引きが最も多いです。
ここは、高級ブランドのショップが立ち並び、万引きが多いのもわかります。
②百人町1.2丁目
とくに、粗暴、窃盗、自転車盗難が多いです。
山手線の新大久保駅と総武線の大久保駅周辺がこのエリア。
韓国系や中国系などのアジア系、またイスラム系など様々な人種の人々が住んでいるこのエリアです。
街路が狭いのも特徴です。
③西新宿1.6.7丁目
なかでも西新宿一丁目が750件と最も多く、とくに窃盗、万引きが多いです。
④高田馬場1.2.3丁目
とくに窃盗、自転車盗難多し。
山手線の車窓から見ればわかります。
駅前にはパチンコ屋や消費者金融の看板が目立ちます。
⑤大久保1.2丁目
とくに窃盗、自転車盗難多し。
ここも新大久保駅からすぐの場所。百人町と同じ特徴の地域。
コリアンタウンとしても有名です。
⑥歌舞伎町1.2丁目
粗暴、窃盗、自転車盗、万引き、すべての種類で多し。
とくに一丁目が件数が多いです。
次に、凶悪犯の数が5件以上の地域は以下の通りです。
北新宿一丁目 5件
百人町一丁目 6件
新宿三丁目 7件
歌舞伎町一丁目 18件
歌舞伎町二丁目 13件
凶悪犯罪件数トップは、やはり歌舞伎町でした。
歌舞伎町は昨年度と比べ、件数は減少しているのですが、それでもトップです。
件数的には新宿三丁目が多いですが、中身の質的には歌舞伎町が最も危険ということでしょう。
歓楽街である、歌舞伎町、高田馬場。
外国人居住率の高い大久保、百人町。
高級ブランドが並ぶ新宿三丁目。
このようにみると、犯罪の発生には、地域の地理的特徴が関係していることがわかります。
コメント